
Laughing Gull Larus atricilla
ワライカモメ・第2回夏羽
2000年6月26日:東京都硫黄島
2000年6月26日のことである。私は硫黄島で1羽の不思議なカモメと出会った。
生まれて初めて見たカモメだった。
全く種類がわからなった…。
しばらく後にそのカモメがワライカモメということを知った。
私はワライカモメが全く識別できなかったことが本当に悔しく、そこから脱出するためにカモメの勉強を徹底的にやることにした。
早速カモメ観察のメッカと言われる銚子漁港に通い始める。
幸運にもちょうどその頃に発売された「カモメ識別ハンドブック」が私のバイブルとなった。
私はそのハンドブックを片手に毎週末の土日を全てカモメ観察に費やした。
そしてもうひとつ幸運なことに、私は日本におけるカモメ観察の第一人者U氏と知り合うことができた。
インターネットを通じて、氏からカモメ観察について貴重なアドバイスを頂くことができたのである。
現場に出られない平日は、氏が開設しているWEBサイト
「Japanese Gull-Site」に掲載された写真をひたすら眺め、識別法を読み漁った。
当時の私は今となっては考えられないが、近くの公衆電話にノートパソコンを持ち出し、そこでインターネットに接続していた。
記憶がたしかなら通信速度は56bpsだったはずだ。
画像をダウンロードするのに長い時間がかかった覚えがある。
また、当時の私はまだデジタルカメラなど持っていなかった。
そのため、週末に撮影したカモメの写真は、現像から戻ってきた後でスキャニングしパソコンに取り込んでいた。
そして、その中からわからないカモメをU氏にメールし、色々と教えて頂いた。
U氏はいつも親切に答えてくれた。
そして様々な注目点などを丁寧に教えてくれた。
私は「カナダカモメの自力発見!」を最初の目標に設定し銚子漁港での観察を続けた。
当時の私はカナダカモメなど未知の鳥だった。
なんとか見つけたとしても、それがカナダカモメかどうかの判断ができない。
そこで「カナダカモメだ!」と思った個体を撮影し、後にU氏に同定してもらう方法をとった。
約4週間、私が「カナダカモメだ!」と思った数十個体のカモメ達は、U氏に鑑定して頂くと全て見事にただのセグロカモメだった。
私は鑑定結果が届く度に相当落ち込んだが、カナダカモメを見つけるまで観察を辞める気は全くなかった。
そしてようやくその日はやってきた。
忘れもしない2000年12月2日、とうとう私はカナダカモメと出会うことができたのだ。
初めて見たカナダカモメは、予想に反しセグロカモメとは似ても似つかないカモメだった。
「カナダカモメでは?」と感じていたカモメ達が、明らかにセグロカモメだったことが本物を見てよくわかった。
それまでに費やした観察時間が、けして無駄ではなかったことを強く実感した。
私はこの時点ですっかりカモメの世界に魅了されていた。
そして今も私はこの深い世界にどっぷりとはまっている。
| ホーム |



